第2回 〜マンションとは 区分所有法とは〜

2017.10.30
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今日は衆院選の投票日です。土砂降りの天気のなか、投票所に足を運んだ若者の集団に出会いました。嬉しい気分でコラムの2回目を書こうとしています。

今回はちょっと長くなりますが、おつきあいください。

分譲マンションとは、デベロッパーが建物を造り、その区分された部屋ごとに販売されたものをいいます。一つの建物を区分して所有することを区分所有といい、その所有者を区分所有者と言います。区分所有者が有する権利が区分所有権です。

ただし、分譲マンションに住んでいる人は区分所有者とは限りません。区分所有者は、自分が所有するこの部屋を他人に賃貸して住まわせることができるからです。親が部屋を購入して子に住まわせているかもしれません。

マンション管理適正化法という法律では、マンションを「区分所有した2戸以上の居住用の住宅」としています。コンクリートで造らなくてもよく、居住者の制限もありません。

区分所有された建物の維持管理を誰がどのようにするのでしょうか。

維持管理に要する費用は、誰がどのくらい負担するのでしょうか。

ちなみに、総会で組合員の主張に多いものが、「エレベーターを利用していない1階の人は管理費が安くても良いのではないか。」とか「機械式駐車場の維持管理費は受益者すなわち利用者のみが負担すべきではないか。」というものです。世間一般の常識では一見合理的に思われますが、マンションではこの意見を採用していません。原則的に、自分の部屋(専有部分)以外の建物の部分(共用部分)はみんなの責任で負担することになります。

居住者が安心して永く住み続けられることに最大限の価値を置き、建物を適正に維持管理していくためには、ルールが必要となります。このルールが区分所有法です。

私人間の法律行為は一般的に民法によって定められていますが、マンションという新しい住宅スタイルが昭和30年代に定着してくると対応できなくなりました。そこで、民法の特別法として区分所有法が成立したのです。

マンションでは区分所有法が民法に優先して適用されます。熊本地震では全壊したマンションに改正被災マンション法が適用され、重大な被害を受けたマンションについては所有者の4/5、80%の賛成で取壊しや土地の売却が可能になりました。本来の民法では全員の賛成ですから、マンションにはハードルが高すぎます。

余談ですが、熊本の被災したマンションでは売却の前に公費助成を受けて取壊しを計画していましたが、お役所が「取壊しは私有財産の侵害のおそれあり!全員の賛成が必要」と主張して、売却を進められていないそうです。

天災で「終の棲家」を奪われた人たちの重い決断を尊重して支援することが、そんなに難しいことなのでしょうか。

マンション管理士・行政書士白寄和彦事務所
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